着脱式ふくらはぎ

食べるのが好きです noteでも書いてる→ https://note.com/myuuzi315

【昆虫食レビュー・後編】はじめての虫(チュウ)

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昆虫食の販売、通販などを行なっているサイト、「昆虫食のTAKEO」さん

takeo.tokyo

で購入した昆虫食をレビューします。

 

前編に引き続き後編です。前編はこちらからどうぞ→【昆虫食レビュー・前編】はじめての虫(チュウ) - 着脱式ふくらはぎ

 

 

 

・【昆虫干物 広島こおろぎ】

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写真左側の商品ですが、まずパッと目に付くのはその大きさです。恐らく通常サイズであろう二本松こおろぎと並べてみるとおおよそ1.5倍から2倍ほどの差があります。

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また、二本松こおろぎや嵐山こおろぎは乾燥してパリパリの食感だったのに対し、こちらの広島こおろぎは半乾燥で加工されており、かなりソフトな食感です。まだ前者のこおろぎの方がスナック感覚で食べやすかった気がするのですが、この広島こおろぎのサイズと柔らかさからはどうしても「あの日原っぱで出会ったこおろぎ」感を想像してしまい、食べるまでにまあまあ勇気がいります。

ただ、口にさえ運んでしまえば何の問題もありません。解凍してすぐの状態で食べてみると、ソフトな食感からジューシーなうま味とコクが染み出してまるで油揚げのような雰囲気です。さすがに3種類目のこおろぎなので、だんだんとこおろぎ独特の風味が分かる様になってきました。

 

この広島こおろぎはアーモンドを食べて育っているらしく、TAKEOさんのサイトでも「少しトースターで温めるとアーモンドの甘い香りが漂ってくる」という旨の説明がされていました。その通りに温めてから食べてみると、確かにローストされたナッツのような香ばしい香りが。最初に油揚げっぽいと感じたのも、中身が豆腐のようなふわふわほろほろとした食感とコクだからでしょうか。

香ばしさやコクの他にも、どことなくフルーティさが感じられ、ドライフルーツに近いようにも思います。少し温めたほうが、外側のカリっとした歯ごたえと中身との変化が出て面白い食べ応えになりますし、最初は解凍してすぐの状態よりも温めてからの方がハードルは低くなる気がします。(もちろん、最初に虫の柔らかさを楽しみたい方はそのまま食べてみるのもいいかもしれません!)

あと、途中から噛んでいると他のこおろぎでは感じなかった目の存在感が気になってきます。まあ、煮干しやホタルイカを食べている時と同じと考えればそこまで気にする必要もないのかも…?

                                                                                        

〇こおろぎナッツチョコレートバー

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こおろぎとミックスナッツを軽く乾煎りし、

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刻んで溶かしたチョコレートと混ぜてドライフルーツのように扱ってみました。割と普通においしいチョコができました。

チョコレートに対してナッツとこおろぎが多めだったので、食べ応えのあるチョコレートバーです。ナッツと一緒にチョコに入ることで、こおろぎの食感はパフやシリアル、味はコクのあるドライフルーツといった感じです。

そのままのこおろぎを食べると、どうしても細かい足や羽が口に残りやすいので「虫食べてる~~!!」となりがちなんですが、「ナッツの薄皮かな?」くらいの気持ちで食べられるのが一番嬉しいポイントかもしれません。独特な虫っぽい香りも分かりにくくなり、意外と初心者向けのアレンジです。

 

簡単に作れますが、唯一の難点はこおろぎを刻むビジュアルが中々キツイことです。この工程は無心で行いましょう。それか、いっそのこと刻まずにそのままのこおろぎにチョコをコーティングしてみればまだ作りやすい気もします。キャラメリゼしてみても良さそうですね。

 

・【昆虫釜揚げ 京都かいこ蛹】

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写真右側の商品です。こちらは釜揚げとのことで、恐らく柔らかさなどは最も生の昆虫そのものに近いのではないでしょうか。昆虫ふりかけでだいぶかいこには慣れたつもりだったのですが、瑞々しくふっくらとした姿を見て少し怯んでしまいました…

シンプルに少し醤油をつけて食べてみました。

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噛むとプチっとした食感と共に水分がじゅわっと溢れます。他の昆虫が比較的油分の多いコクだったのに対し、さらりとした味わいに驚きました。広島こおろぎと同じで、中身はこちらも豆腐のようなふわふわとした食感です。もしかしたら生の昆虫の中身は皆こんな感じなのかもしれません。

淡泊でさっぱりとしつつもうま味やコクはしっかりとあるので、何個でも飽きずに食べられそうです。イメージするとしたら、「豆乳を少し薄めた液で作った人工イクラ(大きめ)」といった感じでしょうか。皮の強度はしっかりしていますが薄いので、ナッツや豆類の薄皮が少し口の中に残るといったくらいでそこまで気になりません。

 

後味はふりかけに入っていたものと同じで、かいこ独特の風味といった感じです。釜揚げではここまでジューシーなさなぎが、乾燥されるとまるであられのようなサクサクとした食感になるのはやはり油分よりも水分が多いからなのでしょうか?

 

〇かいこのさなぎポタージュ

さなぎをすり鉢で潰し、ペースト状にしてから裏ごししてなめらかにします。そこに牛乳とコンソメ顆粒を適量加えて鍋で軽く火を通せば完成です。

さなぎをそのまま食べた時に感じた大豆のような風味に牛乳のクリーミーさが合わさって味は完全に豆乳になりました。写真を取り忘れてしまったのですが、見た目も完全に豆乳のポタージュでした。

ここまで豆っぽさが強いため、もしかしたら大豆や豆腐が苦手な人はかいこのさなぎの風味も苦手な可能性があるかもしれません。

 

先程の広島こおろぎと同じく、こちらも食べやすくなる代わりに調理中のビジュアルが中々強烈です。すり鉢でさなぎをすりつぶす準備の段階が一番キツいものでした。こちらも無心で行ったほうがいいでしょう。怯んだらそこでおしまいです。

 

ししとうとかいこのさなぎの焼き浸し

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他の食材があることで、プチっとした食感が紛れて少し気持ちは楽になります。ししとう自体に苦みや辛みがあるため、淡泊なさなぎとの相性は非常にいいです。やはり、だしの効いた汁に浸すことで豆腐っぽさは増します。

 

ふと思いついて、インスタントのお吸い物にも入れてみました。味は良いのですが、見た目はまだ慣れないですね…味噌汁なら見た目も馴染んでアリかも?

 

・【タランチュラ】                    

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甲殻類っぽさは今回食べた昆虫食の中でもずば抜けてトップだと思います。もし何も知らずに食べたら海老の尻尾や殻だと思うかもしれないですね。毛も想像しているより柔らかく短めなので、口の中ではそれほど邪魔にならないレベルです。軽く塩味がついているのですが、噛めば噛む程うま味と香ばしさが出てきて美味しいです。甲殻類のようでもあり、どことなく木のような香りも混じっているように思います。

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中の空洞は多く、持った感じもかなり軽いです。足もキュッと折りたたまれてコンパクトですが、口を傷つけやすいので足を折って少しずつ食べるのがいいですね。

 

食べた感じは、食感、味、香りが合わさるといわしの煮干しをかじっているようにも思えますし、さらにそこに甲殻類の風味、どことなく木のような自然の香りも混ざっており、かなり形容しづらいですが食感も味も食べやすく美味しいです。

サクサクとした食感ですが、噛んでいると柔らかいもののしっかりとした繊維質が口に残ります。最後の方では木の香りも相まって、つまようじや割りばしのささくれを食べているような感覚でした。自然の味ですね…

虫の翅や、ツヤッとした見た目が苦手な人はぜひタランチュラからチャレンジしてみてもいいかもしれません。

 

・【タガメ

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恐らく今回のラスボスです。目を合わせてはいけません。ひっくり返して裏を見てもいけません。

サイズは大きめですが、乾燥しているのと体が平たいためかなり軽いです。食べづらさというか、形状からでしょうか、ゴキブリなどを見た際に抱く嫌悪感に近いものが邪魔をします。まじまじと見るとどんどん食べづらくなってきます。早めに食べたほうがいいです。

 

サイズも大きいので、足と胴を分解して食べていくことにします。まずは足から…と思うも硬い!!!先ほど食べたタランチュラよりも口に残ります。

食感はパキパキした感じで、あまりカラッと揚がっていないエビフライの尻尾を食べたときに近いです。味はタランチュラとさほど変わりません。味付けをしていないシンプルな素の昆虫味ってこういった感じなのかもしれないです。噛んでも中々嚙み切れず、口の水分もどんどん無くなっていってしまうため、飲み込むタイミングが難しい…

 

足を全て食べ終わったため、思い切って胴の下半分をバリバリッと食べてみましたが、やはり同じように硬くて食べづらいです。頭を含む上半分も食べてみましたが、煮干しの頭や内臓ごと食べた時の様なほんのりとした苦みが広がります。しかし、苦みとはいえ一瞬海老や蟹のミソっぽい感じもあるためそこまで嫌な感じではないです。もしかしたら煮干しのように出汁をとってみたら案外いい味が出るかもしれません。

 

タガメに関して注意点としては、恐らく頭から出る苦みが噛むとどんどん広がって飲み込みづらくなります。しかし、よく噛まないと喉に引っ掛かってこれまた飲み込みづらいという罠。

加熱乾燥されているため、エキスを使用したタガメサイダーのような爽やかな香りは無いためそこも注意点でしょうか。

 

タガメの佃煮

そのまま食べた時の失敗を生かして、頭、足、翅を胴から取り外して調理していきます。こうすれば比較的味も硬さも食べやすくなります。(後々食べてみて分かったのですが、タガメの裏側の足の付け根部分、こちらも硬いので取った方が良いです。外のアーマーを剥いで中身のみを食べるイメージです。)

そして、分解してもまだ少し硬そうだったので醤油、酒、みりん、砂糖を合わせ、少し水で薄めたものに30分ほど浸し、汁気がほぼなくなるまで煮たら完成です。

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煮ることで少し柔らかくなり、味も相まってそのままよりもかなり食べやすくなりました。特に頭のすぐ下の首?背中?の部分をほぐすと、海老や蟹の身のような食感で美味しいです。全体的な味としても、うま味が煮汁と馴染んで煮魚のような味わいです。少し硬い部分があったとしても、「魚の小骨かな?」と感じるくらいには違和感が無くなった気がします。

                                                                               

タイでは漬け込んで調味料としても使われるらしく、そのまま食べるよりもタガメから出てくる出汁やうま味、エキスを楽しむのがいいのかなと感じています。次にタガメを注文するときは、タガメ出汁にチャレンジしてみたいかも…

 

 

・おわりに

元々食べるのが好きで、色んな食文化を体験してみたいと思い昆虫食を注文したのですが、かなり面白い体験でした。

TAKEOさんではとりわけこおろぎに力を入れているというか、こおろぎを使った商品が多く、二本松こおろぎや広島こおろぎのように日本各地のこおろぎを取り揃えているのが印象的でした。クセの無い味と一口でパクッと食べられる手軽さ、粉末にしても分かるうま味など、こおろぎは昆虫食への入り口としても優秀ですね。

 

割とどの昆虫食のレビューでも「海老っぽい」「甲殻類と同じ」といった表現があったのですが、実際には想像していたよりもっと深みのある食べ応えでした。一口に香ばしいといっても、昆虫によっては豆のようでもあり、鰹節のようでもあり、はたまたフルーツのようでもあり…と様々です。もちろん私が表現したものが絶対ではなく、食べる人によってイメージは大きく変わると思います。

食べ始めは分からなかったのですが、段々と共通の虫っぽい香りが分かったような気もします。植物のような、生き物のような、土のような…

 

人それぞれに昆虫の好き嫌いとその理由がありますし無理に押し付けることもしませんが、その機会と食べてみたいと思う気持ちがある人はチャレンジしてみて損はないと思います。

今までの経験で培われてきた自分の味覚の領域がどんどん広がっていく感じというか、「○○っぽいけど△△っぽさもあるし、でも結局□□っぽい…?!」という体験ができて楽しかったです。

 

【昆虫食レビュー・前編】はじめての虫(チュウ)

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昆虫食の販売や通販を行っている「昆虫食のTAKEO」さん

takeo.tokyo

にて、いくつか昆虫食を購入したので、レビューを行っていきたいと思います。昆虫食そのままの味などに加え、料理に追加するなどのアレンジも随時紹介していきます。

 

 

 

 

 

初めての昆虫食セットについて

初心者でもとっつきやすいようなセットが販売されていたのでまずはこちらの紹介から。

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パスタスナックの「HARD BUG」、タガメエキスを使用した「タガメサイダー」、麺や白米にふりかけとして使用できる「昆虫ふりかけ」、福島のソースカツ丼をイメージしたソース味がついている「二本松こおろぎ」の計4種類がセットになっています。(写真に写っている昆虫あられは単品で購入したものです。)

HARD BUGと昆虫ふりかけについては、どちらも種類ある味のうちのどれかひとつがおまかせで届きます。届くまで何が来るのかは分からないのですが、今回は「濃厚こおろぎ」と「かいこのさなぎ」が届きました。

【初めての昆虫食セット:HARD BUG 濃厚コオロギ】

おつまみでよくあるようなパスタスナックです。結構かためで食べ応えがあり、塩が程よくきいていて素朴でシンプルな味わいです。

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コオロギシーズニングは特徴的な味というよりも香ばしさがメインかなという感じでした。イメージとして近かったのはプリッツチキンラーメンの香ばしさでしょうか。

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注意書きにも書いてありますが、昆虫は海老・蟹などの甲殻類と成分が近いようで、どことなくかっぱえびせんのような香りでもありました。特にクセが強い訳でもなく、スナック菓子としてはうま味が強いながらもシンプルな味わいでかなり美味しいです。

 

こちらは「濃厚コオロギ」でしたが、TAKEOさんでは他にも「オニオンガーリック」や「ゆず七味」などの味が販売されているので、「興味があるけどコオロギ味には抵抗感が…」という方はそちらから試してみるのもアリだと思います。

 

 

【初めての昆虫食セット:タガメサイダー】

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飲んでみて最初に感じるのは青りんごや梨、柑橘類のような爽やかな香りです。サイトによると、

タガメカメムシの仲間なので、カメムシ同様に強い匂いを発します。カメムシは自分の身を守るためや仲間同士のコミュニケーション手段(フェロモン)として、匂い物質を利用しています。

タイワンタガメのオスは、メスに比べると特にフルーティな香りが強く、人気の高い食材です。タガメサイダーは、香りの強いオスのタイワンタガメを厳選して使用しています。」

takeo.tokyo

 

とのことです。カメムシと同じと言われるとあの強烈な匂いの心配がありますが、先ほど書いたような爽やかな香りと若干のハーブのような後味でクセもなく、非常に飲みやすいサイダーです。糖類も入っているため味は甘く、何も知らずに飲んだら青りんごサイダーと勘違いするのでは?と思うほど美味しかったです。爽やかな香りによる爽快感が増すため、キンキンに冷やしてから飲むのがおススメです!

 

【初めての昆虫食セット:昆虫ふりかけ カイコのさなぎ】

こちらは、「日常で気軽に昆虫食を楽しめるように」というコンセプトで作られたふりかけシリーズだそうです。どの種類が届くかはおまかせでしたが、焼きそば用のカイコのさなぎふりかけが届きました。他にもラーメン用のコオロギや、白米用のコオロギ&カイコのさなぎミックスなどがあるようです。

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ふりかけの内容はかいこはもちろん、ごま、のりやあられなど、ふりかけでよく見る材料がそろっています。ふりかけのみで食べてみると、様々な種類の香ばしさが鼻を抜けます。驚くのは、ごまやあおさの香ばしさはあくまでサポートに徹しているということ。味わいのメインにいるのはかいこのさなぎです。

かいこのさなぎはサクサクとした食感で、海老っぽい香りの他にもどことなく鰹節っぽさもあります。さなぎのみを食べてみて分かるのが、かなりこれだけでもふりかけっぽいというか、これだけで全体の香ばしさが完成形に近いということです。様々な香ばしさの中で唐辛子のスパイシーさがあとを引き、単純にふりかけとしても美味しいです。

 

 

〇家庭の焼きそばとペヤングソース焼きそばにかいこのふりかけ

それぞれふりかけをかけた物を食べ比べてみると、カップ焼きそばはよりジャンクに家庭の焼きそばには豊かな風味とスパイシーさをプラスされてどちらもかなり効果ありです。


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焼きそばソースがしっかりしている分、かいこをそのまま食べた時に感じた独特な風味を感じづらくなり、焼きそば自体にも香ばしさや食感がプラスされて互いに美味しさを引き出しています。焼きそばとかいこのベストコンビネーション。

家庭の焼きそばだと肉やキャベツ、野菜が入って食感も栄養も取りやすい分、栄養の偏りがちなペヤングのほうがこのふりかけはおススメかなと個人的に感じました。インスタントだと麺も柔らかいのでサクサクとした食感がアクセントになりますし、付属のあられとも近いような食感なので相性が非常に良いです。

 

【初めての昆虫食セット:福島・ソース味 二本松こおろぎ】

こちらは初心者セットの中では最も食べるハードルが高いのではないかなと思います。見た目に抵抗感を感じる方も多いのではないでしょうか。

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しかし、見た目に反して味は非常に食べやすいです。説明によると福島名物のソースカツ丼にちなんだソース味らしく、かなり甘めのフルーティかつスパイシーな味わいです。食感もパリパリで、食感や香り含め一番イメージに近いのは小魚でしょうか。かなりしっかり噛まないと足などの細い部分が歯茎や喉に刺さりそうなのが唯一(?)の欠点ですが、よく噛むことで小腹を満たすにはちょうどいいかもしれません。

ちなみに顔を見てしまうとだいぶ食べにくくなります。目を見ずに箸でつまんで食べれば脳が食材認定してくれますが、指で摘んで顔を見てしまうとかなり昆虫っぽさに抵抗を感じてしまうので注意です。

 

食べるラー油とこおろぎ(ソース味)の冷ややっこ

こちらは後で紹介する麻辣味のこおろぎに影響を受けて作ってみました。

作り方も至って単純で、食べるラー油とこおろぎを軽く和えたものを豆腐にのせるだけで完成です。

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まず食感の点では、こおろぎのサクサク感が食べラーのフライドガーリックとの親和性抜群です。意外と味もマッチしていて、こおろぎが甘めのソース味になることで引き出されたフルーティさと香辛料の相性が非常に良く、全体的にさらに深い味わいに。

今回使用した食べラーは山椒・花椒が入っていて痺れるタイプのものだったので、山椒系の爽やかな香りとこおろぎとのマッチングがいい可能性もありますね。辛いものが好きな人にはおすすめのアレンジです!

 

〇トマトのポン酢漬けとこおろぎ(ソース味)の和え物

トマトの酸味と合うとサイトで紹介されていたため、湯むきして砂糖とポン酢で軽く漬けておいたトマトと和えてみました。

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私はトマトの青臭さが苦手なのですが、それとこおろぎの独特な風味がぶつかって相殺され、ソース味のフルーティさに吸収されてしまうという不思議な現象が起こりました。トマトもこおろぎも、合わさることでクセがなくなりかなり食べやすい雰囲気になっているように感じます。


両者を食べてはじめて気づいたのですが、こおろぎの後味はトマトの後味とそう遠くないようにも感じられるため、そのおかげで風味が変化したのでしょうか…。

今回は漬けたトマトを用意しましたが、こおろぎのうま味を生かしてそのままの冷やしトマトやトマトドレッシング、サラダのトッピングとしても使用してもよさそうです。こおろぎを食べる機会がありましたら、ぜひ一度トマトと食べてみてはいかがでしょうか?

 

・【昆虫あられ コオロギ】

こちらはセットと一緒に単品で購入しました。


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こおろぎが一部は生地に練り込まれ、一部はこおろぎ塩として振りかけられているため、見た目のこおろぎ感はかなり抑えられていて口に運びやすいです。

味もあっさりとした塩味という印象で、こおろぎが邪魔をすることもなくえび塩のようなうま味の出し方だなと感じました。

 

コンセプトとしても「主役はお米であくまでコオロギは引き立て役」という考えがあるそうで、HARD BUGよりももっと昆虫食初心者向けといった感じでしょうか。スーパーでおせんべいコーナーにあっても不思議じゃないくらいには馴染みやすい味です。

 

 

・【昆虫煮干し 埼玉嵐山こおろぎ】

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かなりインパクトのあるピリ辛麻辣味です。しっかり辛めでスナックのように食べられます。

 

落花生も入っており、昆虫特有の香ばしさとのコンビネーションもバッチリです。二本松コオロギのソース味は甘めでフルーティかつあっさりした味わいでもあったので、これくらいスパイシーな方が人によっては食べやすいのかも?

 

二つを比較すると、ソース味の方がコオロギのうま味やフルーティさを、麻辣味のほうがコオロギの香ばしさや後味を味わえるかなと思います。もしかしたら産地によって味わいが若干変化する可能性も捨てきれません。

 

〇嵐山こおろぎとたたききゅうりのピリ辛和え物

こちらもサイトの紹介に従って調理してみました。軽くごま油でこおろぎを炒めてから、たたいたきゅうりと胡椒、ラー油を軽く振って馴染ませるだけです。

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これは簡単かつしっかりと美味しいので、おつまみに最高ですね!一度炒めたことによってこおろぎがよりクリスピーな食感になり、きゅうりの歯ごたえとの相性も非常に良いです。元々のこおろぎ独特の香りも、辛みと相まって中華風なスパイスなのかな?というくらいには馴染みます。ピーナッツも火を通すことでシャキシャキとした食感を楽しめ、手間のわりに一品としての完成度がかなり高いです。

 

 

・【バンブーワーム】

個人的に芋虫や幼虫などのむちむちした虫が苦手なので、克服のために買ってみました。

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パッケージには蚕のようなむちむちとした白い姿のバンブーワームが…しかし、袋から取り出してみるとその姿は乾燥して少し平べったくなっており、かなり細長い状態だったので意外と見た目は大丈夫そうでした。目も分かりにくいですしね。

 

食べてみると、サクッじゅわっとした食感で、油?脂?が染み出します。脂質といっても割とさらっとしており、オリーブオイルやナッツ類の油などに近いようなコクとクリーミーを感じます。

独特の風味も合わさって、どちらかといえば大豆のような、豆乳のような濃密さでしょうか。小さめなのでそのままでもパクパクいけますが、醤油やポン酢をつけてみると油感がさっぱりしつつクリーミーさもしっかり引き出されて美味しかったです。脂質が多いのでわさび醤油も中々良かったです。

 

こちらで一番特徴的なのは植物性の油感でしょうか。これはカイコのさなぎを食べた時の独特の風味と近く感じました。先程も挙げたようにオリーブ、ナッツ、大豆などの植物性油分のようなさらっとしたものですが、この油感が苦手な人もいるかもしれません。コクとクリーミーさを味わうために塩味の強いもの、酢などのさっぱりしたもの、スパイシーなものと合わせて食べるのが個人的にはおススメかなと思います。

 

〇ポン酢漬けトマトのバンブーワーム添え

先程の二本松こおろぎの時と同じ漬けトマトです。

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さっぱりしたトマトに対してバンブーワームの油分がコクを出して味が丸くなる感じで、こおろぎとはまた違った美味しさです。トマトの柔らかさとワームの主張しすぎないサクサク感がお互い邪魔をしません。ポン酢でジュレを作って、そこに砕いたワームを混ぜればもっと食べやすいかもしれないです。

 

 

・後編へ続く

前編はここまでにしておきましょう。続きは後編へどうぞ。

【昆虫食レビュー・後編】はじめての虫(チュウ) - 着脱式ふくらはぎ

後編ではサイズの大きな広島こおろぎや昆虫食に慣れてきた人向けのタガメなど、ギアが一段階上がった商品を紹介していきます。

 

唐揚げの衣~発展編~

 

唐揚げの衣の可能性を探りたい

 

唐揚げの衣について、以前基本の4種類の粉(小麦粉、片栗粉、米粉コーンスターチ)の特徴をそれぞれ比較しました。

唐揚げの衣を食べ比べる|ものも|note

今回はそこから発展して、普段あまり使用しないような粉類を使って唐揚げを作ってみました。前回が唐揚げの衣〜基礎編〜だとすれば、今回は唐揚げの衣〜発展編〜でしょうか。

 

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今回用意したのは、

  • 強力粉
  • 上新粉
  • ホットケーキミックス
  • おからパウダー
  • ベーキングパウダー
  • マッシュポテトの素
  • すりごま
  • アーモンドプードル
  • きな粉
  • タピオカミックス
  • けずり粉

の計11種類です。いずれも名前に「粉」と付くものだったり、ある程度粒子が細かく衣として纏えそうなものなどを基準とし、家にあったものやスーパーで買えるようなものを用意しました。

作り方については前回と同じで、唐揚げ自体の味付けは醤油、酒、生姜のみ。あらかじめ漬け込んだものをそれぞれの粉と馴染ませてから揚げる作り方で調理しました。揚げ時間はいずれも180℃の油で4分です。

 

どの粉も意外とアリ

これだけ色々揃えてみたので一つくらいは失敗するかなと思っていたのですが、驚いたことに各々特徴はあるものの、極端に美味しくないものはありませんでした。「そういう唐揚げ」と言われれば納得してしまうくらいには唐揚げとしての枠組みにしっかり収まっていたように感じます。

 

それぞれの結果を「メイン使いOK↔︎サポート向き」「無難な唐揚げ↔︎クセのある唐揚げ」の2つの軸で分類してみました。

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縦軸はその粉単体で衣として成立するかどうかを表しています。上半分は前回試した片栗粉などのようにそれだけでも衣として使えるもの、下半分はそれだけだとうまく衣として機能しにくかったものです。単体ではうまくいかない粉でも、他のメインとなる粉と混ぜて使ってみると食感や風味が加わって意外と面白い唐揚げになったため、メインの粉に一味加えるサポート向きな粉として分類しました。

 

横軸はその粉自体の持つ味や風味が唐揚げに干渉するかどうかを表しています。左のものほどクセが強く、好き嫌いも分かれてしまうかなと思います。逆に右のものはそれほど邪魔をせず、普通の唐揚げ、無難な唐揚げといったふうになりました。分けるとしたら、前回試した小麦粉・片栗粉・米粉コーンスターチも右側に分類できますね。

 

それぞれの特徴

1強力粉

前回小麦粉として使用したのは薄力粉でしたが、おなじ小麦粉でも用途の異なる強力粉を使ってみました。しかし、衣の雰囲気としては薄力粉の場合と変わらず、冷めてもおいしいサクサク系の唐揚げでした。

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薄力粉と強力粉の二つでは水と練った際の粘りや弾力に大きな違いがあり、それによってクッキーにしたりパンにしたりと使い分けられています。

恐らく今回は粉をまぶす形で使用し、水分が少ない状態だったため違いが出にくかったのだろうと考えられます。ある程度漬け汁を残しておき、そこに粉をもみ込んで衣にするといった調理方法だったら結果は違っていたかもしれません。小麦粉の特徴に気づけなかったとは…不覚…!

 

2タピオカミックス

こちらはカリカリしつつもしっとりとうまみが閉じ込められている唐揚げになりました。

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タピオカはプルプルモチモチとした食感が人気でジュースやスイーツとして人気ですが、元の原料はでんぷんです。そう考えると、ほぼ片栗粉と同じような使用感が近いのかなと思います。

個人的にはこの唐揚げが今回の中では一番好みだったのですが、中々タピオカミックスが売っていないので常用は難しいですね…

 

ホットケーキミックス

こちらは軽めでサクサクな唐揚げです。

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中に砂糖が含まれるためほんのり甘味もありますが、下味を邪魔するわけでもなく不思議な感じです。近いものといえばアメリカンドッグの甘じょっぱ感でしょうか。ただ、砂糖の分焦げやすいのでそこだけ注意ですね。

 

上新粉

ザクザク系でしっかりした食感の唐揚げになりました。

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原料がどちらもうるち米なので米粉で作った時とかなり近い印象ですが、米粉が薄付きパリパリだったのに対して上新粉は厚めの衣です。そのため、冷めても食感がしっかり残っていて美味しく食べられました。

 

5マッシュポテトの素

こちらはお湯と混ぜるだけでマッシュポテトができるというものです。フレーク状のものだったので少し砕いて唐揚げに使用してみましたが、それでもまだ荒かったのかあまりしっかりと衣になりませんでした。食感はかなり良いので、メインの粉と合わせて使ってみるとザクザクとしたワイルドな食感に。

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パン粉よりも油を吸いにくく、食べ応えはありつつもさらりと食べられる唐揚げでした。もっとジャンクな味付けでも食感のインパクトと合いそうなので、フライドチキンの衣に混ぜてみてもいいかもしれません。

 

6ベーキングパウダー

ベーキングパウダー単体で試したところ、完全に溶けてアワアワになってしまいました。揚げると一見普通の唐揚げになりましたが、かなり油を吸ってしまっています。

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メインの粉と混ぜて作ってみると、細かなサクサク感が出てかなりいい感じです。ベーキングパウダーを使った唐揚げは他に比べてなんだかしょっぱいなと感じていましたが、原因は成分にありました。

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目立つのは炭酸水素ナトリウム(重曹…ナトリウムということはつまりは!!だからやけにしょっぱかったようです。お菓子作りなどで使うにしても膨らみを増すために少し加えるだけですしあまり気になりませんが、これだけたくさん使ってしまうと塩っけが目立ってしまうようです。

 

7アーモンドプードル

サクサクで、少し穀物の風味があります。油は吸いやすく、ホロホロしたクッキーにも近いかなと思います。

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メインの粉と混ぜるとサクサクとした食感が加わり、冷めてもいい感じです。他の粉と混ぜた方が衣の安定感が増し、風味もあまり気にならなくなります。

 

8すりごま

ごま!!!!!!!!!!!!!というくらいごまの風味が強いです。衣としてうまく纏いにくく、肉がむきだしになってしまった所やごまの部分が焦げてしまい、ちょっと微妙な結果に。

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しかしメインの粉に加えてみると、ごまの香ばしさが加わって深みのある味わいになりました。ごまの風味は意外と強いので、冷めても油っぽさが目立ちにくいのもいいですね。ごまの粒が焦げてしまいやすいので、いっそのこと下味の時点でもみ込んでおくのも美味しくなりそうです。

9おからパウダー

シャクシャクもしゃもしゃ系?ホロホロ系?な衣になりました。独特の風味があるので、好き嫌いがちょっと分かれてしまいそうです 

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メインの粉と混ぜると独特な風味は感じづらくサクサク系の唐揚げに。冷めると若干もしゃもしゃ感と風味が戻ってきてしまうので、揚げたてを食べるのがいいですね。

 

10きな粉

食感はしっとりホロホロといった感じです。おからほど風味は強くないものの、それでも大豆の香りがあるのでこちらも独特な雰囲気です。

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メインの粉と混ぜると細かくて上品なサクサク感が出ます。風味はそこまで気にならず、後味にふんわり大豆っぽい香りがする程度に収まっています。冷めると若干油っぽさが目立ちます。

 

11けずり粉

 魚つよ!!!!!!!!ごまと近い感じで、あまり衣として纏っている感じではないです。焦げやすく、香りがかなり強いので少し微妙な感じになってしまいました。

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メインの粉と混ぜると魚介のうま味や香りが出るため、個人的には塩ベースの下味にしたり量を調節すればアレンジとして使ってみるのもアリだと思います。今回のけずり粉はいわし、にぼし、さばぶし、かつお節などが入っているものなので、鰹節のみのシンプルなものなら魚臭さも出てきにくいのかなと思います。

 

 

唐揚げの衣の代用として

今回試した中でメイン使いに向いていた4種は、小麦粉系(強力粉、ホットケーキミックス)とでんぷん系(タピオカミックス、上新粉)の二種類に分けることができます。しかし思い返せば、基本の唐揚げの衣も小麦粉系(薄力粉)とでんぷん系(片栗粉、米粉コーンスターチ)の粉でした。これは裏を返せば、小麦粉系かでんぷん系の粉類であれば唐揚げの衣として活用できるということではないでしょうか…?

「唐揚げを作ろうと思っていたのに片栗粉も小麦粉も切れてしまった!雨が降っていて買いに行くのも面倒…」となってしまったシチュエーションでも、そんな時に台所に残っていたホットケーキミックスの存在に気づくことができれば、難なく唐揚げを作れることがわかりました。

 

唐揚げの懐は、意外と深い

今回一番驚いたのは、先にも述べたようにどれも美味しく食べられたことです。食感に変化があるのはもちろん、大豆の香りが独特なおからやきな粉も言われなければ「少し風味の変わった唐揚げだなあ」と受け入れてしまいそうな位にはアリでした。

けずり節やすりごまも今回の生姜醤油味には香りが強すぎて互いがぶつかってしまっただけで、あっさり塩味なんかの唐揚げではいい風味を出してくるのではと感じています。

 

鶏肉がそもそもあっさりしつつもしっかりとしたうま味を持っていますし、定番の生姜醤油味もしつこすぎずご飯のおかずとして味の主張はしっかりとする。そんな黄金コンビはどんな粉を衣にしたところで唐揚げとして受け止めてくれる、そんな懐の深さを今回実感しました。

 

唐揚げの底が見えなくて恐ろしいですが、今後も探っていきたいと思います。